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3/11(土)町家をどう活かす?「空き町家活用セミナー『京町家に学ぶ —町家の可能性—』」

2017年3月11日(土)、近江八幡商工会議所のホールにて「空き町家活用セミナー『京町家に学ぶ —町家の可能性—』」が開催されました。今回のセミナーでは、近江商人の商家が数多く残る滋賀県の町家の活用に向けて、町家活用のトップランナーと言える京町家活用に取り組んで来られた八清の西村さんを講師にお招きし、お話していただきました。

 

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今回、市内の全自治会の回覧板でセミナーのご案内をさせていただいたこともあり、市内で実際に町家や古民家にお住みの方、また所有される方にたくさんお越しいただけました。
また、市内在住の物件をお持ちの方に限らず、市外、県外から足を運んでいただいた方もいらっしゃいました。

小さなお子さんを抱えた若いママさんから、実際に町家や古民家をお持ちの年配の方まで、多様な方々にお越しいただき、町家の活用に関する関心の高さを改めて感じることができました。

 

◆開催概要

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◆講義内容

○町家の日

数日前の「3月8日」は「町家の日」だそうです。これは西村さんたちが手続きし、きちんと認定を受けた記念日で、3月(March/マーチ)と8日で「マチヤ」の日という語呂合わせだそうです。

 

○京町家について

京町家とはどのようなものなのか、その特徴を町の歴史から紐解き、建てられた時期の建築の特徴について、図と写真でわかりやすくご解説していただきました。
平安時代の町家はトイレの下水施設があったわけではないことから、実はあまりいいニオイではなかったのではないかというお話は、普段考えることのない視点で驚きました。

京町家はどれもすごい長い歴史を誇っているのだろう、となんとなく思っていたのですが、実は1864年ごろの蛤御門の変の大火で、市街地の町家はほとんど燃えてしまったそうです。歴史ある寺社仏閣が多い町にもかかわらず、意外にも特別古いものばかりというわけではないんですね。それでも、100年以上の建物ばかりということがすごいことですが。

 

○京町家の改修事例について

京町家の改修事例については、実際に西村さんが手がけてきた町家の改修事例について、たくさんの写真でご紹介していただきました。改修する際の趣の残し方、様々な地震対策について、金具や基礎の作り方など、目に見えない裏側も工事過程の写真で紹介。専門用語だけでなく、実際に写真もあるので、専門家でなくてもイメージが共有しやすいご説明でした。
最近では、外国人が買い取って改修するケースも増えてきているそうです。

 

○京町家の有効活用

京町家の貸家、宿家、団欒、別邸、創舎と5つの事例の話がありました。
いくつも具体的な事例がありましたが、特に驚いたのが、本当にボロボロで誰も借りないような物件のビフォーアフターでした。一見、人が住めない状態の町家を低価格で買取、シンプルに綺麗に改装し、定期借家として若い方にも住んでもらえる仕組みを実践されておられました。

近江八幡の町家は京町家と比較するととても大きく、住まいとして改修するのはとても費用がかかり、宿として投資するのもなかなか難しいのではないかというご意見もいただきました。京都でしっかりビジネスも手がけられている専門家の視点ですね。

京町家でシェアハウスも手がけられています。単に改修するだけでなく、どんな居住者に住んでいただくか、最初が肝心だそうです。建物と人、人と人とのマッチングにも気を配ることが重要です。

また、他にも「創舎」という町家を活用したコワーキングスペースの運営にも取り組まれているそうです。

 

○民泊について

民泊について、定義や法律の概要について、わかりやすく整理し説明していただきました。
近年、簡易宿所の条件緩和の法改正がありました。現在もどんどん緩和が進んでおり、ますますインバウンドの獲得にも繋がることが予想されます。

 

○路地の見直し

京都は路地が多く、袋小路はなんと4300本以上もあるようです。「路地選」という賞も作り、地域づくりにも積極的に取り組まれています。
路地を見直し、無機質な舗装の手直しも手がけられているそうです。細い路地の先の物件の価値も一緒に高まります。

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◆多様な町家の再生は、一人ではできない

京町家の多様な再生の取り組みは、本当に学ぶことが多く、地域の所有者や活用者はもちろん、建築関係の業者さん、地元の住民、行政も多様なセクターの方が連携しなければ形にならないと感じております。
町家への関心が高まっているけれど、利用者のニーズも多様化していることがよくわかりました。積極的な町家や古民家の活用を進めるためには、地域の理解も必要不可欠です。

近江八幡でも今後人口減少に転じてきていることから、ますます空き家が増えていきます。今回の多様な参加者の方からの町家を活用するアンケートも多数いただいております。
まだまだこれから、前向きな所有者さんと活用者さんたちと、空き家の再生を通じた地域の賑わいづくりに取り組んでいきます。