「株式会社 まっせ」 設立趣旨
近江八幡市は、平成22年3月の市町合併により織田信長の安土城址、豊臣秀次の八幡城址、近江商人の町並みなど歴史遺産と西の湖の自然、重要文化的景観という全国に発信できる地域資源が一体化し、魅力が一段と高まりました。
こうしたことを背景に、産官学民連携によるまちづくりを推進するため、平成23年4月に近江八幡市、近江八幡商工会議所、安土町商工会、滋賀県立大学の四者が、連携協力協定を締結しました。
連携協力協定に基づき設置した「近江八幡まちづくり懇話会」では、地域の活性化を図るために新たなまちづくりを推進する組織として「まちづくり会社」の必要性がうたわれました。
「まちづくり会社」は、行政が中心に実施する都市インフラ整備や行政サービスと、市民や商業者等が中心に実施する地域づくりや産業振興の取組みを応援・補完・調整するためのタウンマネジメント組織であり、官民共同出資により設立し、公益性と収益性をめざす新しいまちづくりの組織です。
近江八幡市の伝統ある歴史文化、豊かな自然をもとに、「地域の活性化に向けた中核事業」、「経営安定向けた収益事業」、「交流交歓に向けた企画開発事業」など地域密着型の事業に取組み、近江八幡市の活性化と地域住民の幸せ感を増すことを目的として、まちづくり会社「株式会社 まっせ」を設立することを、3月26日に近江八幡市、近江八幡商工会議所、安土町商工会、近江八幡観光物産協会、安土町観光協会、㈱滋賀銀行、滋賀中央信用金庫、およびこれらの関係役員などが発起人となって決議いたしました。
5月7日から5月31日まで、まちづくり会社への市内の企業や市民等の皆様からの出資公募手続きを行い、発起人の出資と合わせて、資本金4,765万円により、平成25年6月7日に「株式会社 まっせ」を設立しました。
「株式会社 まっせ」代表取締役よりご挨拶
歴史はその地 特有の風土を巻き込みながら常に転換期を迎えるものです。これからの近江八幡の新しい歴史をどのように創造し、演出活性化していくか。発展し続ける情報社会の真っ只中に世界的視野に立ち、且つ学びながら私たちはこの地の未来を見つめ、変革していきたいのです。幸いにも、むかし通りとは言わずとも、近江八幡市には、豊臣秀次が築城した八幡山、織田信長の安土山、広大な琵琶湖の貴重な内湖としての北之庄や西の湖周辺の水郷地帯など、まだまだゆたかで穏やか、そして貴重な自然がのこっています。また、多くの神社仏閣は言うに及ばず、関連する伝統的なお祭りや季節の行事も健在、かつて全国に勇躍した近江商人たちの物心両面の姿をいまに伝える街並みも健在です。
住む人皆が一体となって光かがやき、風さわやか、いつも誇りと賑わいの好きなまち。これからのまちづくり。
株式会社 まっせは、そんな夢実現の拠点となる会社(あつまり)です。

株式会社 まっせ
代表取締役 山本 昌仁
「株式会社 まっせ」 ロゴ・デザイン

※左義長まつり
近江八幡で毎年3月に行われる左義長まつり。430余年続くこのお祭りは、元々、織田信長築城の安土城下で行われていたもの。信長自身も奇抜で派手な装束で繰り出したといわれています。信長亡きあと、町衆は八幡山城下に移り住み、日牟禮八幡宮に捧げる火祭りとして左義長まつりを継承しました。今なおつづく活気あふれる町衆のお祭りです。
まちづくり会社の担う役割
まちづくり会社は、行政が中心に実施する都市インフラ整備や行政サービスの充実と、市民や商業者等が中心に実施するにぎわい創出の取組みを応援・補完・調整するためのタウンマネジメント組織として、民間のノウハウを活かし、市民・事業者等との協働の立場から、地域に必要なハード・ソフト事業に取り組むものであり、多くの皆様から出資を募り、その収益は「まち」へも還元することです。
まちづくり会社の役割は、主に次の3つです。
- まちづくり会社は、行政や民間企業の枠内だけでは、効果的な成果が難しいような事業を積極的に担うことにより、近江八幡市の活性化を図る。
- 近江八幡市において、新たに高付加価値のサービスの提供を行うことによる成功モデルを構築することで、既存商店街や商店に良質な波及効果を与える。
- 新たな事業者に対し、まちづくり会社が持つ情報やノウハウを提供する。
まちづくり会社が担う事業
事業目的
平成23年度に活動した「近江八幡まちづくり懇話会」が示した「近江八幡市民がめざすべき理想的なまちづくり」とは、西の湖が保全・整備されていくことで、市民のシティプライドを刺激し、愛郷心や愛着心に炎を灯すと同時に、正に「まちを経営する」ことを自覚し、地域の自然環境や歴史的資源を守るために、先頭に立って産官学民が連携し、牽引する新たなまちづくり組織が求められ、その組織である『まちづくり会社』が先頭に立つことによって、更に「まち」が息づいていくのが実感できることである。
このように「まちづくり会社」は、
①寄って立つべき市民のための 「地域の活性化に向けた中核事業」
②まちづくりを支えるための 「経営安定に向けた収益事業」
③次世代への継承のための 「交流交歓に向けた企画開発事業」
に取り組むものとする。
そして取り組む事業の推進を通じて、近江八幡市を継ぐ次世代への関わりを深め、“教え育てることから学び習うことへ”で世代間のバリアをなくし、繋がりを醸成していくことが、大きな使命であり且つ大切な目的である。
三位一体となった事業の3本柱
第一の柱:寄って立つべき市民のための「地域の活性化に向けた中核事業」
旧近江八幡市と旧安土町の中心市街地のそれぞれを拠点とする事業の展開をめざす中で、その拠点間を線で結び、市民や観光客が回遊するための面的なハード整備を受けた観光振興事業(連結回遊路等)や商業のにぎわい創出のためのソフト事業が考えられる。
主要事業項目
- 伝統文化および技術の振興・継承
- 西の湖・堀割・水郷などをはじめ、環境・景観保全に係る教育並びに事業
- 自然を素材にした文化の創設並びに事業
- 空き町家・空き店舗対策に係る企画並びに事業
- 新規起業商業者等を誘致する人材投資誘導事業
- 賑わい創出に資する企画並びに事業
- その他上記関連項目
第二の柱:まちづくりを支えるための「経営安定に向けた収益事業」
事業を展開していく上では、安定した収益を持続的に確保していく必要があり、広告事業(街路灯などバナー広告・HPへのバナー広告掲載料)、駐車場活用事業(民間施設の管理運営)、公共施設の管理運営の取り組みなどが挙げられる。
主要事業項目
- 公共公益施設および駐車場等の開発・開設並びに管理等の受託
- 集客施設およびその他関連施設の開発・整備並びに管理・運営
- 不動産売買・賃貸借・交換および仲介並びに所有・管理
- 書籍・印刷物の企画・制作および出版・販売
- 各種イベント・行事等の企画および実施
- キャラクターグッズの開発・製作・販売
- 特産品・美術工芸品・観光土産品の企画・開発・制作・製造および販売
- 損害保険および自動車損害賠償保障法に基づく保険代理業
- その他上記関連項目
第三の柱:次世代の継承のための「交流交歓に向けた企画開発事業」
事業の取り組みとして、地域文化を育成し、市民交流のための調査研究や市民との協働をめざすプラットフォームづくり、商業者等に対する「まち」に関する統計等関連データの提供の実施などが考えられる。
主要事業項目
- 産官学民連携のまちづくりに係る人材育成並びに普及啓発事業
- まちづくりに係る調査研究・企画・事業推進並びに実施
- ものづくりおよび観光・産業振興に係る人材育成並びに事業
- 各種情報の収集・整理並びに提供
- 人材育成のための啓発推進に係る企画並びに実施
- その他上記関連項目